理科教育 Science Education

  近年の理科教育において求められている、理科と日常生活とのかかわりを重視した授業の構成やそこにおける実験の在り方(位置づけ,形態・方法など)について研究を行っています。最近は,その斬新で洗練された内容構成から世界的にも注目されているイギリスの『アドバンシング物理』という高校物理コースについて,京都市内の中学・高校の先生達との研究会活動などを通して実践的に検討し,日本での応用の可能性を試みています。
  これまでの卒業・修士論文研究では「電気(電流回路)」と「力学」分野,および日本では分野としては取り上げられていない「物質」について,実際に京都市内の中学・高校で授業実践を行ってきました。その結果,『アドバンシング物理』における授業構成は,物理学の実用的な側面,生徒が“使える(使いこなせる)”ことが強く意識されていることがわかってきました。そこでは,様々な形態・目的の実験が“効果的に”組み込まれています。また,探究学習における教員の役割についても一定の方向性が見えてきました。これらの視点は,「高校物理」に限らず,初等中等理科教科としても重要な視点であると考えています。したがって,卒業研究でこの教材を研究し,実践してみることは将来教員を目指す人にとって有効なだけでなく,現職の先生にとっても理科(物理)教科を捉えなおすいい契機になるものと考えています。
  もちろん,現在の日本の理科教育のカリキュラムに則った研究や小・中学校の理科教育について研究(教材研究・開発など)を行いたいと思っている人も大歓迎です。

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