小型電子ビーム励起プラズマ装置装置
 この宇宙に存在する物質は99.99…%がプラズマ状態にあると言われています。 しかし、人工的にプラズマを発生させる方法は限られており、その最も基本的なものとして、直流放電プラズマがあります。
 直流放電プラズマは、真空容器の中に二つの極板を入れ、その間に電圧をかけて真空放電を起こす、というものです。しかしながら、この方法では、生成されたプラズマを外部から制御できなかったり、密度の濃いプラズマを生成できないなどの欠点がありました。
 その欠点を補うべくして生まれたのが、電子ビーム励起プラズマElectron Beam Excited Plasma;EBEP)装置です。その原理は、電子ビームを原子などに直接ぶつけて励起させプラズマ状態にする、というものです。この装置では、電子ビームの電流とエネルギーを独立に制御することができるので、制御性が良く、密度の濃いプラズマを生成することに成功しています。
 我々の研究室では、これまでにこのEBEP装置を小型化した小型EBEP装置の開発を行って来ました。装置の小型化は工業的にプラズマを応用する上でも求められていることです。
 プラズマは荷電粒子の集まりなので、中性粒子と比べてエネルギーが高く、物質との反応性に富んでいます。この特性は物理的に興味深いだけでなく、応用的にも注目されており、例えば、金属材料や高分子材料の窒化処理(表面改質)などにも用いられています。我々の研究室ではそのような応用的な研究と平行して、この小型EBEP装置で生成されるプラズマがどのような特性を持っているのかを調べるプラズマ物理学的な研究も行っています。


小型電子ビーム励起プラズマ装置

先頭に戻る。