1.プロジェクトの概要

    現在の日本では,理科の指導力に優れた小中学校教員の養成および他の教員の指導力向上の助けとなり中核となる教員の養成の必要性が高まっています。そこで理学科では,小中学校の現場において理科の中核となる教員の養成に向けた教員養成・教員研修プログラムの検討と準備の取り組みを推し進めています。 本プロジェクトでは,理学科がすでに行っている教育現場,教育委員会との連携を強化するとともに,新たな学校との連携を構築します。また理数系教員として活躍する卒業生・修了生のデータベースを基に,本学教員が各教育現場を訪問し,理科を教える上での問題点の解決やアドバイスを必要とする教員への支援を行います。さらに学外授業あるいは本学へ児童・生徒を招いての理科の授業を現場の教員とともに実施し,新たな教材開発や指導法の検討を行い,教育効果についても検証していきます。

2.プロジェクトの目的・意義

    本プロジェクトは,教育委員会と連携して,小中学校理科を場として学校間連携,教員研修,地域連携などをコーディネートする教員の養成を意図したプログラムを検討・準備します。具体的には,教員研修においては小中学校を軸とした理科教育における自律的な校内・地域研修が実現できるようにするため,その教育現場で中心となる教員の人材養成および教材開発を一体化して行います。また,研修の指導に当たる大学教員,教育委員会指導主事や中核となる現場の教員を対象とする更なる研修講座の設立も目指します。
    このような研修システムの有効性を汎用性のあるモデルとするため,将来,教育委員会や理工系大学(国立,私立)と連携し,相互に持てる資源を相補的に活用します。現在,これまでの経験を生かして中核となる教員の養成を試行していますが,さらに京都府・市の教育委員会と連携を強め充実させます。このような取り組みによって,小中学校理科における中核教員の養成と研修システムの構築がこれまでにない形で可能となり,現在行われている教育現場における理科教育に対する取り組みが改善され,日本の教育にとって一助となるでしょう。

3.プロジェクトの実施方法・計画

  • 1.本学と京都府教育委員会,京都市教育委員会等との連携をさらに強化します。
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  • 2.本学理学科教員のデータ(専門分野,連絡先,学外授業の内容,実施可能な期間・時間帯等)を冊子化し,学校現場へ配布することによって,招聘授業・学外授業の実施の円滑化と実施規模の拡大を図ります。
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  • 3.卒業生・修了生のデータベースを充実させ,それに基づいて,教育現場の卒業生・修了生を訪問し,教学上の問題点等へのアドバイスを行います。
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  • 4.本学教員が教育現場を訪れて行う学外授業ならびに児童・生徒を大学へ招いての招聘授業を行い,学校現場との連携を図るとともに,現場が抱える具体的な問題点を探ります。
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  • 5.現場の教員と本学教員の交流の場を定期的に設け,情報交換の機会をさらに増やします。  

4.プロジェクト成果の社会的価値及び波及効果

  • 1.小中学校で理科に関わる中核教員の養成と研修システムの構築が可能となり,小中学校において理科の指導力に優れた教員及び指導力向上の中核となる教員が養成され,今改善が期待されている理科の教育に関する問題点に対する取り組みの一助となります。
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  • 2.教育現場の教員と連携することによって,小中学校教員の研修効果が期待できるとともに,本学教員が教育現場の実態をより深く認識できます。
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  • 3.最新の研究結果の紹介や探究活動に対する助言を行うことにより,総合的学習の円滑な運営に寄与できます。
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  • 4.本学教員が訪問校において学外授業を行うことにより,小中学校の児童・生徒の理科に対する興味関心や探究心が喚起され,教育効果が期待できます。
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  • 5.学部生・大学院生のインターンシップの要素を含めることによって,教材開発や指導補助の過程で,彼らが現場の実情をより深く体験できます。  
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  • 6.卒業研究,修士課程の研究における教育実践,特に開発した教材の実践の場として活用でき,指導法や教材のさらなる改善に寄与します。