素粒子物理学と放射線検出器の研究

LHCの運転が再開されました。最内層にピクセル検出器が追加されエネルギーが約2倍で衝突しています。またトラックの情報をいち早くトリガーに取り込む機能が実装されました。日本ではピクセル検出器とストリップ検出器の放射線耐性に関する研究が進められています。

標準理論が成功を収めているように見えますが、右巻き粒子と左巻き粒子を別に取り扱ったりする部分が不自然です。また、暗黒物質の存在も標準理論に基づく宇宙論では説明できないようです。まだまだ発見の種は残っています。

ミニレクチャー「5分でわかるヒッグス粒子」

昨年11月9日12時30分と14時の2回、研究室の修士2年の学生が「5分でわかるヒッグス粒子」のタイトルでミニレクチャーを行いました。ポスターを作成しました。示されているのは、ヒッグス粒子が2個のミューオン(赤い飛跡)と2個の電子(緑の飛跡)に崩壊している事象と考えられます。

特別展示「ヒッグス粒子を見つけたアトラス検出器」

シリコントラッカー(シリコン飛跡検出器)の実際のモジュールを展示しました。浜松ホトニクスでの組み立ての工程やミューオン検出器(トリガー用の平板型とチューブ状の位置検出型)のCERNの集積場を見学した時の写真などをスライドショーにして表示しました。また「対称性の破れとゲージ粒子の質量」と題された原論文や「ゲージ粒子の質量」と記載された教科書の記述も展示しました。検出器でどのようにヒッグス事象が見えるかはこのページがよいでしょう。

ヒッグス粒子の存在予言にノーベル賞

2013年のノーベル物理学賞はアングレール、ヒッグスの両名誉教授に授与されました。3月にアトラス、CMSの両グループによって、新粒子はヒッグス粒子と考えることが出来るという論文が発表された事によると見られます。マイスナー効果では超伝導状態の物質内では光子が質量を持ったように考えます。真空にも似たような性質があり、弱い相互作用の媒介粒子が質量を持つことになるというのが論文の核心部分となっています。記念講演の要旨は近年の物理学の発展の簡潔なレビューになっています。

1994年のアトラスグループ結成以来、この研究に関わってきました。研究室の取り組みについて大学の広報に掲載していただきました。アトラス、CMSの両実験グループでは今後の衝突エネルギーの倍増と衝突輝度増強に備えて、検出器のアップグレード作業を行っています。

Higgs粒子の発見

2010年から12年にかけて取得されたデータで、ガンマ線2本に壊れるモードと4つのレプトンに壊れるモードのデータの蓄積の様子を示す画像が公開されています。この実験では加速器、実験装置とも想像を絶する規模、精度を実現しています。放射線検出器は高集積化した半導体を使って高度化しています。アトラス実験では粒子飛跡検出のかなめである中心部飛跡検出器のバレルモジュールの半数は日本で製作されました。トラッカーに必要なストリップセンサーもアトラスのバレル部分ではほぼ半数が浜松ホトニクスによって作られています。