物理のトリビア

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 地球の重力加速度は阪神大震災の時の加速度より大きいって知ってた?H17.9.少し修正しました。)

 

解説1:地震計には揺れ(変位)そのものを測るものと、揺れではなく加速度を測るものがある。

(防災科学研究所地震のページ地震の基礎知識を参照)

http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/part1.html

 

○長めの糸の先に振り子をつけ、素早く左右に手を動かすと振り子は手の動きについてこないで止まっている。

 逆に短めの糸の先に振り子をつけ、ゆっくり左右に手を動かすと振り子は手の動きと同じように動く。

 

○記録計の台の上に振り子が設置され、振り子の先にはペンがついている。ペンは振り子の動きにあわせて記録紙に記録する。

 振り子の周期より短い周期の振動(速く動く)が起こると、振り子は振れないで止まっている。その一方で記録計は地面とともに揺れるので記録紙には地面の揺れが逆向きに記録される。つまり地震の揺れ(変位)そのものを記録する。

 振り子の周期より長い振動(ゆっくり動く)の場合、振り子はその動きと一緒に動く。つまり記録計と振り子が一緒に動くので地震による揺れそのものは記録されず、急激な変化である加速度のみを記録する。

 

○一つの地震計では振り子の長さによって決まる固有周期より短い(速い)振動に対しては変位を記録し(変位特性域)、遅い振動に対しては加速度を記録する(加速度特性域)。

 

つまり地震のゆれを測定する変位計は振り子の先が揺れないために多くの振動の周期がそれより短くなるよう振り子の糸が長いほうが適している。

加速度を測る加速度計は振り子がゆれとともに動くために多くの振動の周期がそれより長くなるよう振り子の糸が短いほうが適している

 

解説2:物体に力がかかる時加速度が生じる(F=ma)。地震の加速度を測ると、そのとき働いている力の大きさを知ることができる。地震の加速度はガル(cm/秒2)で表され、地震の影響の大きさに対する指標とされている。

 地震の震度と加速度の関係はおおよそ以下の表のとおりである。(参考:気象庁震度階級関連解説表)

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/kaisetsu.html

 

物理で何気なく使う重力加速度9.8m/秒2という値は980ガルで地震の激震時の加速度に匹敵するほど大きい

 

※加速度は気象庁のグラフから周期0.1〜1秒程度の地震波として読み取った値を載せています。

(気象庁https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/jma-shindo-kaisetsu.pdf

 

震度

おおよその加速度(ガル)

解説(震度階級関連解説表より抜粋)

0 

 

人は揺れを感じない。

1 

0.6〜2

屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。

2 

2〜8

屋内にいる人の多くが揺れを感じる、電灯などの吊り下げ物がわずかに揺れる。

3 

6〜30

屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。

棚にある食器類が音を立てることがある。電線が少し揺れる。

4 

20〜90

かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。電線が大きく揺れる。

5弱 

60〜250

多くの人が、身の安全を図ろうとする。一部の人は、行動に支障を感じる。つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。

5強

 

100〜500

非常な恐怖を感じる。多くの人が、行動に支障を感じる。棚にある食器類、書棚の本の多くが落ちる。タンスなど重い家具が倒れることがある。補強されていないブロック塀の多くが崩れる。耐震性の低い木造住宅では、壁や柱がかなり破損したり、傾くものがある。

6弱

 

200〜900

立っていることが困難になる。固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。開かなくなるドアが多い。かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。耐震性の低い木造住宅では、倒壊するものがある。耐震性の高い住宅でも、壁や柱が破損するものがある。

6強

 

350〜1500

立っていることができない。固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。耐震性の低い住宅では、倒壊するものが多い。耐震性の高い住宅でも、壁や柱がかなり破損するものがある。

7 

600〜3000

揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。ほとんどの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されているブロック塀も破損するものがある。耐震性の高い住宅でも、傾いたり、大きく破壊すものがある。大きな地割れ、地すべりや山崩れが発生し、地形が変わることもある。

地球の重力加速度

980

 

 

ちなみに阪神大震災のときの加速度は約800ガルだったそうです。

 

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