中学生にもよくわかる解説

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ヘリウムガスの中で変わる音と変わらない音

解説:音を伝える空気と音を発生する空気

(1)音を伝える空気

音はものが振動することで発生し、その振動が空気を振動させ伝わって人間の耳まで届きます。

 

(a)おんさをたたくとおんさが振動します。おんさが右へゆれるとAにあった空気はA’のほうへ移動し空気Bを押します。空気の密な状態ができます。

(b)空気Bは空気Aを左へ押し返し(A→A”)同時に右へ(B’)移動します。

(c)空気の疎な状態ができます。空気A”はまた右へ戻ろうとし空気B’は左へ戻ろうとし、それぞれ空気の振動が生じ、空気の疎密な状態が繰り返しできます。これが音の波です。

空気は波が進む方向に振動するので縦波と言います。

 

このように音が伝わるとき空気が実際に移動するのではなく同じ場所で振動しています。
空気の粗密のようすが進行方向に移っていくのです。それが音(波)です。

ある場所の空気が一回振動するとき波(粗密のようす)がどこまで進むかを波の波長と言います。
1秒間に波が進む距離を波の速さといい、1秒間に何回振動を繰り返すかが振動数で、波の速さは波長×振動数で表されます。

振動数は初めに振動を起こしたおんさなど発生音源の振動で決まっているので
空気が、違う気体(ヘリウムなど)に代わっても振動数は変わりません。

音の高さは振動数で決まるので音を伝える空気がヘリウムに代わっても音の高さは変わらないのです。

気体によって音の速さは異なるのですが、この場合振動数は変わらず波長が変わることになります。

(2)音を発生する空気

筒や容器の中にある空気が振動するとき、進む波以外に反射して戻ってくる波ができます。底が開いている筒でも起きます。
つまり筒や容器の中で空気が振動するときは進行波と反射波が重なり合っています。

その中である条件のときは進行波と反射波が重なり合って大きな音になります。これが共鳴です。
共鳴が起きているときは定常波といって波が進行も後退もせず(粗密のようすの移動がない)、
よく振動する場所「はら」と振動しない場所(ふし)ができます。

このとき、はらやふしができる場所は音の波長と関係があり、筒の長さで決まります。
つまり中にある気体の種類にかかわらず波長が決まってしまうのです。
気体によって音の速さが変わるので波長は変わらず振動数が変わります。音の高さが変化することになります。
このように筒や容器の中で音が共鳴している場合はその中の気体がかわれば音の高さも変わるのです。

ヘリウムの中で木琴やトライアングルをたたいてみました。空気の場合と聞き比べてみてください
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