物理のトリビア
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ハンマー投げの選手はハンマーを投げる瞬間自分の体重の3倍以上の力を出してるって知ってた?
解説1:ハンマー投げは、質量7.26kgの鉄球と1.2mのワイアと手で持つ部分ハンドルからなるハンマーを回転させて投げる競技です。鉄球は腕の長さを入れると半径約2mで回転し、徐々に回転面を斜めにしながら投げ出されます。ハンマーが投げ出される瞬間 (リリースポイントといいます)、回転面は水平面に対しほぼ斜め40°になります。ハンマーが飛び出す瞬間の高さは人によりますが1.5m程度です。 簡単にワイアやハンドルの質量は考えないことにします。
ハンマーは一番下がった状態(ローポイント)から上がる途中、腕から鉄球までがほぼ水平になるところで投げ出されます。
つまり投射角はほぼ回転面の傾きになります。
速度Vで斜め40°に投げ出したハンマーの水平方向 及び鉛直方向の速さは
水平方向の初速は Vcos40°=0.77V
鉛直方向の初速は Vsin40°=0.64V
例えば室伏選手のアテネオリンピックでの飛距離は約85mなので
水平距離=初速×時間 85=0.77Vt だから落下するまでの時間t=110/V
一方 鉛直方向の運動は加速度-gの等加速度運動だから
t秒後の位置y=-9.8t2/2+ 初速×時間+はじめの高さ=-9.8t2/2+0.64Vt+1.5
地面に落下するまでの時間は 110/V 秒 だから
-9.8×(110/V)2/2+0.64V×(110/V)+1.5=0
9.8×(110/V)2=144 (110/V) 2=14.7 110/V=3.8 V=29m/s となる。
つまりハンマーはおおよそ秒速30m( 時速100km)の速さで投げだされているんだ!!
解説2:速度が分かれば円運動の角速度が分かります。
円運動の速度=回転半径×角速度
V=rω 29=2.0×ω ω=15rad/秒 一周は2π=6.3radだから 約2.4回転/秒
つまり投げ出す瞬間の回転速度は1秒に2回転以上になる。
さらに選手がハンマーを引っ張っている向心力 は
向心力=ハンマーの質量×回転半径×(角速度)2=mrω2=7.3×2.0×152=3300N
ちなみに室伏選手の質量※は96kg(身長187cm)くらいだから 、体重は 96×9.8=940N 3300÷940=3.5
つまりハンマーを離す直前の室伏選手は3.5人の自分を持ち上げるくらいの力をだしているんだ!!
※体重は地球が引く力なので、Nであらわします。