中学生にもよくわかる解説

電流が磁界から受ける力はどうして左手の法則の向きに働くの?

 

解説1:電流は磁界の源

電流が流れるとまわりに磁界ができます。直線的に電流が流れる場合、図のように右手の指で直線をつかむように円状の磁界ができます。これを右ねじの法則といいます。プラスやマイナスの電気があるとまわりに電界という電気の影響ができます。それと同じで電流が流れると磁界という磁気の影響ができるのです。電流は磁界を作る源(みなもと)なのです。

円状に広がるから磁界は半径に反比例して小さくなる。

磁界は直線のまわりを円状に(輪が広がるように)できます。影響の大きさは円のどこでも同じですから円周が小さければ影響は濃く(大きく)円周が大きければ影響は薄く(小さく)なります。つまり磁界は直線から遠いほど小さくその大きさは円周2πrに反比例します。だから直線電流の作る磁界は直線からの距離に反比例して小さくなるんです。

ちなみに電界や万有引力は距離の2乗に反比例して小さくなりますが、あれは影響が球状に広がるからで、その影響は球の表面のどこでも同じなので球の表面積が小さいほど影響は濃く、表面積が大きくなると薄くなります。つまり表面積4πr2に反比例します。だから距離の2乗に反比例するんです。

 

解説2:磁界の中を電流が流れると電磁力が働くわけ

今度は磁石かなにかですでに磁界ができているところに電流が流れる場合を考えます。この場合磁界は2種類できます。1つはもとからある磁界(図 の水色もう一つは電流が流れることでできる磁界(図の青色です。

この2つの磁界がどのようになっているを上から見てみます。もとからある磁界が図の右から左へできています。そこに紙面裏から表へ電流が流れることで円状に左回りに磁界ができます。図の上半分は2つの磁界が平行になるので強め合い、下半分は互いに反対方向になるので弱め合います。つまり上側は磁界が濃く、下側は薄くなります。磁界に濃いところ、薄いところがあるとできるだけならそうとして上側から下側に向かって力が働きます。この力を電磁力(ローレンツ力)といいます。覚えやすいように左手に当てはめると中指、人差し指、親指と順に電(流)、磁(界)、力になります。これをフレミングの左手の法則といいます。

 

解説3:平行に電流が流れる導線に働く力

磁界に濃いところ薄いところがあるとならそうとする向きに力が働く例をもう一つ見てみましょう。

図のように電流が平行な向きに流れています。導線の間にできる磁界はお互いに反対の向きになって弱め合います。電流の外側は同じ向きに磁界ができるので強め合います。つまり2つの電流の内側 にできる磁界は薄く外側は濃くなります。それをならそうと電流の内側に向かって力が働きます。つまり2つの電流は引き合います。

逆に電流が逆向きに流れていたらどうなるでしょう?自分で考えてみてください。

 

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