中学生にもよくわかる解説
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水そうの中に沈んでいるピンポン球、浮いているピンポン球、
ちょうど釣り合って浮かんでいるピンポン球があります。
水そうを急に動かすとピンポン球はそれぞれどう動くでしょう?
1.ピンポン球に穴を空け、中に砂を入れて水より重くしました。
水そうの中にいれるとピンポン球は沈みます。
さて、この状態で水そうを右方向に急に動かします。ピンポン球はどうなるでしょう?
※映像はすべて高速撮影デジカメで撮影し10倍遅く再生しています。
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ピンポン球は逆の左方向に動いたように見えましたね。
<慣性の法則>
止まっている物体に力が働くと物体はその方向に運動しようとします。
そのとき物体は質量の大きいものほど動きにくく、そのまま止まっていようとする性質があります。
これを慣性と言います。
軽い物体だと動かしやすく、重い物体は動かしにくいという性質です。
※動いている物体に力が働いて止まろうとするときも、慣性が強いとなかなか止まりません。
慣性はその物体の運動をそのまま続けようとする性質です。
水そうが右へ動いてもピンポン球は慣性のためすぐには動かず、
そのため水そうの中で左に動いたように見えるのです。
2.今度は穴の開いていないピンポン球を水そうの中にいれます。ピンポン球は浮いています。
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ピンポン球は水そうと同じ右方向に動き、元あった場所よりさらに進みます。
慣性という性質はどんな物体にもあります。
つまり水にも慣性はあり、水そうの中の水は止まっていようとします。
でも水そうが動くと中の水も一緒に押されるので動かざるを得ないのです。
ピンポン球はどうでしょう?中は空気で浮いているので水より軽いです。
慣性は質量が大きいほど大きいのでピンポン球より右側にある水の慣性のほうが大きいです。
そのためピンポン球は動きだすが水は止まったまま。
つまり動きにくい水と動きやすいピンポン球の場所が入れ替わるのです。
そうやってピンポン球がどんどん右方向へ進むことになります。
3.今度は穴を開けたピンポン球に水を8分目程度いれ、水そうの中でちょうど釣り合って浮かぶようにします。
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ピンポン球は水そうの中でほとんど動きません。
浮かんだ状態にあるピンポン球とまわりの水の重さはほぼ同じです。
つまり慣性も同じです。まわりの水とピンポン球の動きやすさが同じなのでみんな同じように動き、
水そうの中でピンポン球はほとんど同じ位置にあるのです。
4.空気中でも同じです。 電車が動き出すとき、電車の中で空気より重いおもりは慣性で動きにくいので、
電車のなかでおもりと風船の動く様子がふしぎビデオにあります。見てください
おもりも風船も糸で引っ張られていますからすぐ電車と同じ速さで進むようになります。
だから電車が同じ速さで進んでいるときはおもりも風船も同じ速さで動き、傾かなくなるのです。