物理のトリビア
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ブラウン管テレビをカメラで写すとちらちらして見えるのはなぜ?
液晶テレビをカメラで写すとどうなる?
解説1:ブラウン管テレビ(一般にはCRTディスプレイと言います)は背面にある3個(RGB)の電子銃から絶え間なく電子線が出ており、それが蛍光塗料を塗った画面にあたって光が出ます。電子線によって光る点は交流電圧によって画面上を端から端まで動いていて、通常のテレビでは画面の上から下まで525往復して1画面を表示しています。(この水平な1本の線を水平走査線といい、ハイビジョンテレビでは1175本あります。)1秒に30画面で動きを表しているので1本の走査線は 1÷525÷30=0.06ミリ秒 で描かれます。また1画面の上端から下端まで30ミリ秒かかります。
私たちには見えない走査線の動きがカメラではどうして見えるの?
一般に人間の目ではミリ秒程度の細かい動きは識別できません。ただ画面の上から下までの30ミリ秒という時間は長くてちらつきとして感じる場合があります。そのため一般に走査線の動きを1本とばしで2回行うインターレースという方法がとられています。こうすると1画面での走査線の端から端までの動きは16ミリ秒になり、ちらつきが気にならなくなります。
ビデオカメラで撮影するとき、カメラのシャッタースピードが1/60秒ならちょうど1画面分の走査線の動きになりますが、それより速くなるとある範囲の走査線のみ撮すことになります。
解説2:液晶ディスプレイの画面は背後に光源(バックライト:背面から光を入れる)があり、その前に2枚のガラス板が液晶材料をサンドイッチする構造をしています。2枚のガラス板には電極があり電圧をかけることができます。液晶に電圧をかけると液晶分子の並び方が変わり、それによって背後からのバックライトを通したり遮蔽したりし、この変化で画面表示を作り出します。つまり画面全体で表示させているのでCRTのような走査線による遅延はなく、ちらつきもおきないのです。
ふしぎビデオのページに実際にビデオカメラで撮影したCRT画面や液晶画面の様子があります。見てください。