物理のトリビア

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 LED電球は白熱電球とどこが違う?

1.LED電球は熱くない

 白熱電球とLED電球の温度を測ってみました。

まず白熱電球です。

(左)ガラス表面の温度は21.9℃でした。
(中)点灯した瞬間です。やはり21.9℃を示しています。
(右)40秒後ガラス表面は44.8℃になりました。もう触れることはできません。

今度はLED電球です。

(左)ガラス表面の温度は20.6℃でした。
(中)点灯した瞬間です。20.6℃のままです。
(右)40秒後ガラス表面は21.2℃になりました。手で触っても熱くありません。

2.発光するしくみ 電球の中を見よう

 電球の中はどうなっているのでしょう。ガラスを割って中を見てみました。

 赤く囲んだところがフィラメントでここに電流が流れ、熱を持って発光します。温度は1000℃以上に達します。

空気に触れさせて白熱電球を点灯させるとどうなるでしょう。(再生ボタンを押してください。少しまぶしいので注意してください。)

酸素に触れると燃えて切れてしまいしました。
このように白熱電球はフィラメントに電流が流れ熱くなって光るのです。

 今度はLED電球の中を見てみましょう。ガラスは白熱電球より厚いですが簡単に割れます。

右図の赤く囲んだところがLED(発光ダイオード)です。このタイプは4つLEDがついています。 このまま点灯してみます。どうなるでしょう?

再生ボタンを押してください。

強く明るく光り出しますが燃えたり切れたりしません。
発光ダイオードは熱くなって光るのではなく一定の電圧がかかることで光るのです。

(注:高速度カメラの映像で周りが明るくなったり暗くなったりしているのは照明の蛍光灯のせいでLEDの光はちらちらしません。)

3.LED電球を分解しよう

発光ダイオードは一般に数Vの直流電圧をかけることで光ります。(またダイオードは一方向にしか電流が流れません。)
家庭のコンセントから供給される電圧は100Vの交流電圧です。どうなっているのでしょう?

LEDにかかる電圧を測ろう。

4つあるLEDのもとの電圧を測ります。

(左)まずテスターを交流電圧のモードにして測ります。(中)点灯します。2V?(右)プラスとマイナスを逆にして測ります。4V?

今度はテスターを直流電圧のモードにして測ります。

(左)12.00V。(右)プラスマイナスを逆にして測ると−12.00V。つまりLED全体には12Vの直流電圧がかかっているのです。

(左)LED一つ一つにはいくらの電圧がかかっているでしょう?(中)2.97V。(右)プラスマイナスを逆にして測ると−2.97V。つまりどれも約3Vの直流電圧がかかっています。

つまり4つのLEDは直列に接続され、全体に直流電圧12Vがかかり、それぞれには3Vかかって発光しているのです。

ではコンセントから供給された100Vの交流電圧がどこで12Vの直流電圧に変わっているのでしょう? LED電球のビスをゆるめて分解します。

(再生ボタンを押してください。)

あけると表にある黒い四角い形をしたICチップが(12Vの安定な直流電圧にする)安定化電源です。さらにその裏にあるのが(コイルの巻き数を変えて)100Vを12Vに変圧するトランスです。

LED電球の中はこのようなしくみになっているのです。わかりましたか?

 

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