中学生にもよくわかる解説

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ヘリウムガスを吸うと声が変わるのは何故?その2

解説2:筒の中ではどんな振動が強まる?

筒で強められる(共鳴する)振動は筒の中の音の速さと筒の長さで決まります。さらに音の速さは筒の中の気体の種類と密度によって決まります。同じ気体では筒の長さと振動数は反比例して筒が短いほど高い振動数(高い音)になります。

筒が同じだと筒の中の気体を伝わる音の速さと振動数は比例し、音の速さが速いほど振動数は高く(高い音)なります。

音の速さ=音の波長×音の振動数
筒の底を閉じたとき 基音の波長=筒の長さ×4
筒の底を開いたとき 基音の波長=筒の長さ×2

参考:物理のトリビア:ドミソはどうして和音としてきれいに聞こえるの?

解説3:音の速さは気体によって異なる。

音の速さは伝わる気体の種類によって異なります。

   空気(0゜C、1気圧)331m/s
   二酸化炭素(0゜C、1気圧) 258〜269m/s
   ヘリウム (0゜C、1気圧) 970m/s

音の速さはヘリウムの中が一番速く、空気中の約3倍の速さです。逆に二酸化炭素の中では一番遅く空気中の約2/3になります。だからヘリウムガスを吸って声を出すと音の速さが速くなりそのことで共鳴する音の高さが高くなり声が高く変わって聞こえるのです。

 注:ヘリウムガスや二酸化炭素は絶対そのまま吸ってはいけません。窒息します。市販の「声が変わるガス」はヘリウムと酸素が4:1の混合ガスで空気(窒素4:酸素1)と同じだけ酸素が含まれているから危険ではないのです。

ビデオのような二酸化炭素で実験をするときは必ず部屋の扉を開けておき二酸化炭素がたまらないように扇風機で逃がすようにしておきます。

 注:声が高くならずに変な声になるのはどうして

声が出るのはのどの共鳴だけではありません。口の形でも声が変わります。声はいろんな音が混じっているのでヘリウムの影響だけではないのです。

実験:空気、ヘリウム、二酸化炭素の中で筒の口に輪ゴムを同じ強さで張って、同じように輪ゴムをはじいてみます。

筒から出る音はヘリウムが一番高く、二酸化炭素が一番低い音になります。

輪ゴムが声帯、筒が声道にあたります。ヘリウムガスを吸って声が変わるのはこれと同じです。

ビデオの再生ボタンをクリックして聴き比べてみてください。

 

ふしぎビデオに長さの違う筒を空気、ヘリウム、二酸化炭素の中でたたいた実験があります。クリックして見てください。

長さの違う筒をたたくとドレミが聞こえます。でも空気、ヘリウム、二酸化炭素の中ではそれぞれ聞こえる音程が違います。

長さの違う筒を使ってメロディを演奏します。空気、ヘリウム、二酸化炭素の中では演奏するとそれぞれどんなふうに聞こえるでしょう。

 

 

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