音声ガイド 再生ボタンで音声読み上げが始まります。
回路図をたて向きに書こう
電池と豆電球や抵抗を接続した回路図は、教科書や参考書にあるものはみんな横向きですね。
(中学校理科教科書 未来にひろがるサイエンス2(啓林館))
下の図を見てください。この3つの回路図で豆電球はどれが一番明るく点灯するでしょう?
<生徒がよく間違える解答>
一番右は2つの乾電池からの電流が合流して多くなるのでもっとも明るい。
真ん中は電流が2つの豆電球に分かれるので少なくなり最も暗い。
正しい答えは、「豆電球は全部同じ明るさ」、です。
一番左の回路を流れる電流を1とします。
一番右は乾電池から出る電流が半分で、合流して豆電球には1が流れます。
真ん中は乾電池から出る電流が2倍で、分かれて1つの豆電球にはやはり1の電流が流れます。
上の生徒の解答は乾電池から流れ出す電流はすべて同じという先入観から来ています。
回路に接続された豆電球や抵抗の大きさによって乾電池から流れる電流はいくらでも変わります。
よく考えればすぐにわかることですが、このように回路図だけ見せて考えさせると、かなりの生徒がこのように間違えます。
<ワンポイントアドバイス>
豆電球にかかる電圧を考えるとこういう間違いは起こりません。電気の高さ(電位)を積極的に学習に取り入れることをお薦めします。
さらに回路図もたて向きに書くとより分かりやすくなります。
下の図を見てください。さきほどの回路図をたて向きに書いたものです。
電気の高さで考えよう。
乾電池のおしりの部分が電気の高さ0です。左は乾電池1個で「電気の高さ」が1だけ上がって、豆電球を電流が流れることでまた0に戻ります。
真ん中の回路図も乾電池で1上がって、豆電球2つそれぞれを通って電流が流れ0まで下がります。
右の図は乾電池が2つです。「登り道」が2つありますが高さは同じ1です。
つまりどの豆電球にかかる電圧(電気の高さの落差)も1になります。
乾電池が2個直列の場合は電気の高さが2まで上がって、豆電球を流れる電流は「2階」から流れるのでさきほどの2倍です。
乾電池2個、豆電球2個が直列の場合は「2階」から「1階」まで1下がって、さらに「1階」から1下がるのでそれぞれの豆電球を流れる電流は1個のときと同じです。
どうですか?わかりやすくなりましたか?