物理のトリビア
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ティンパニーは真ん中をたたくのではなくやや端のほうをたたくって知ってた?
中学校音楽の教科書にはティンパニーは端から1/3のところをたたくと書いてあります。
(教科書中学器楽 音楽のおくりもの 教育出版平成17年度版より)
どうして真ん中ではなくこんなところをたたくのでしょう?
音はものが振動して発生します。よく響く音が出ているとき、ものはよく揺れるところ(はら)と揺れないところ(ふし)が
できています。はらとふしについては物理のトリビアの「ドミソ」のページでも詳しく紹介していますから参考にしてください。
弦(弦楽器)や気柱(管楽器)は1本の線上をたとえば両端がふし、真ん中がはらになって振動していることが多いのですが
太鼓やティンパニーは皮の部分が面上にひろがって振動します。その様子は物理の教科書で紹介されています。
(例えば新物理学シリーズ3「振動論」戸田盛和著培風館PP.169-171)
右図の黒い部分と白い部分があがったり下がったりして振動する。
境界部分がふし、黒い部分や白い部分の真ん中がはらになる。
(新物理学シリーズ3「振動論」戸田盛和著培風館P.171)
図の左上が基本振動になり、真ん中をたたくと皮全体が上がったり下がったりします。これが太鼓をたたいたときの
基本の振動の様子です。このとき中の空気が押されるので裏側の皮も同じように振動します。
ところがティンパニーの場合は「裏側」がありません。つまり面の一部を押すと必ずどこか面の違う部分が空気によって
押し返されて上がってくることになります。言い換えると図の白い部分と黒い部分の面積が同じになるように
振動することになります。つまり図の左列のような振動はおこらない(おこっても続かない)ことになります。
図の中列や右列の振動は全て真ん中がふしになります。だからよく振動するはらの部分は真ん中ではなくやや端になるのです。
だから長く響く音をだすために真ん中ではなくやや端のはらになる部分をたたくのです。
ふしぎビデオのページでティンパニーをたたいたときの振動の様子のビデオを見ることができます。
アクセスしてみてください。