体の外で起こる現象を探る
生物の体の内側で起こること― ホルモンや免疫や遺伝など―ではなく、体の外側で起こること― 生物の行動など ―を題材としています。
特に、生物が「体の外」=「その生物以外のもの」とどう関わるかという「生き様」を研究する学問分野を「生態学」といいます。
生物と「環境」の多様な関係
生物は常に生物的環境(他の生物)と関わりながら生きています。
たとえば種間関係、植物とその葉を食べるイモムシのような被食ー捕食関係、あるいは、エサやすみかなど、共通の資源を争う競争関係などです。
また種内関係、同じ種の雄と雌の関係、あるいは働きバチと女王バチの関係など、実に多様な関係があります。
生物は、非生物的環境(気温や湿度、昼の長さ)にも影響され、ふるまいや姿を変えます。
逆に、物理的環境を改変(ビーバーがダム湖を作るように!)することさえ、あります。
世界は生物と環境の関係に満ちており、その間に生じる様々な「しがらみ」が、生態学の対象となります。
進化生態学(行動生態学)--進化論を武器として
生態学の到達目標は、個々の生物の生き様を研究するだけではなく、似た生物に、あるいは(未知の種も含めた)生物全体に通用する法則を見付けることです。
そのための武器になるのが進化の法則 (C.Darwinの発見した自然選択による進化)です。
なぜならすべての生物は「進化したもの」であり、進化の法則に従ってかたちづくられているはずだからです。